鈴木彩艶の好プレーを見ていたら、ドーパミンが溢れ出た。
今回の活動で初めて先発出場した背番号1は期待どおりのプレーを披露した。所属クラブのアストン・ヴィラでも見せているようなロングキックはもちろん、ピッチを切り裂くような縦パスで、エクアドルの守備網を突破した。「キーパーからのシュートが直接入ればいい」とゴールまで狙っていたという。
極めつけは、チームを救うPKストップだ。「ボールを見ながらコースが甘くなったら取れるかなという感覚はあった。止めたシーンは先に動くことを意識していた」と相手の3人目が放ったシュートを、横っ飛びでセーブして、獅子奮迅の活躍だった。
これらのプレーが飛び出すたびに、6万5012人の観客は大きな歓声をあげた。興奮冷めやらぬまま試合後のミックスゾーンでは真っ先に鈴木彩のもとへ向かった。目はガンギマリだったかもしれない。
しかし、鈴木彩の一言でハッとさせられた。
「チャンスになったシーンもありましたが、ミスキックになってしまってもスタンドが沸いていた。自分としては『ミスキックだな』と思いながらも…」
鈴木彩のキックは日本の強力な武器となった。たとえそれが「ミスキック」でもスタンドが沸く。それほどまでに鈴木彩のキックは、日本の大きな武器として認識され始めている。ただ、期待が高まるほど考えておきたいこともある。鈴木彩は「チーム、観客・ファンのみなさんも、僕からチャンスが生まれると認識してくれるので、やりやすい雰囲気」とほほ笑むが、依存は禁物だ。
森保一監督が鈴木彩を重要なピースとして位置付けているのは明らかだ。指揮官はエクアドル戦後に守護神への信頼を語った。
「彩艶からの組み立てだけではなく、一気に背後を狙うトレーニングも選択肢の一つとして、プレーモデルを作っています。状況に合わせて、うまく彩艶の良さを引き出しながら、攻撃のチャンスにつなげてくれるシーンが今日もいくつか見られた」



