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Manchester City verdict GFX 1:1GOAL

【分析】マンチェスター・シティの栄光は“本物”だったのか…プレミアリーグの根幹を揺るがす9年に及ぶ財務規則違反

Mark Doyle
翻訳者:
  • 『The Damned United(※邦題:くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-)』は、ただのドキュメンタリーではない。デイヴィッド・ピースがベストセラー小説で描いた物語の正確性については、実在の当事者の何人かが異議を唱えている。だが、ほぼ誰もが一致していることが1つある。1974年7月にリーズ・ユナイテッドの新監督に就任したブライアン・クラフは、初期のトレーニングにて、疑いようのない才能を持ちながらも悪名高いほど荒れた選手たちの前に立ち、「お前たちのメダルは全部ゴミ箱に捨てていい。どれ1つとしてフェアに勝ち取ったものではない」と言い放ったことだけは、実際に起きたことである。マイケル・シーン演じるクラフは、「お前たちは、まったくもってイカサマで全部を手にしたんだ」と言い放っているが、これはリーズのいわゆる“ラフプレー”を指したものであり、もちろん何らかの不正行為があったという意味ではない。

    では、話を現代に戻そう。おそらくあなたも、すでにSNSでこの映画の名シーンがSNSで拡散しているのを目にしているだろう。ただ今回は、告発されたプレミアリーグの財務規則違反のほとんどが有罪認定されたマンチェスター・シティに関するものだ。もう「お楽しみ」は始まっている。「バンター」行きのバスはすでに満員で、「ミーム製造機」はフル回転。ライバルクラブのファンは、シティを容赦なく嘲笑している。

    だが、これは笑いごとではないのだ。プレミアリーグの根幹を揺るがす大問題であり、イングランド・フットボールの未来を完全に変えてしまう可能性すら秘めている。プレミアリーグは自ら運営するその大会自体があらゆる信頼を失いかねない以上、この実質的な「勝訴」を素直に祝うことは許されない。

  • 降格は「現実的」

    Manchester City v Sunderland - Premier League 2026/27
    Getty Images Sport

    現時点で、リチャード・マスターズCEOとプレミアリーグがシティにどのような制裁を科すかはわからない。彼らはなおも控訴の権利を有しているし、アル・ムバラク会長も徹底抗戦の構えを解いてない。また一部のファンは、罰金や影響の少ない勝ち点剥奪だけに済むのではないかと疑っている。

    だが、この案件に詳しい法曹関係者によれば、それだけに終わることは極めて考えにくい。これほどの規模の財務スキャンダルは、スポーツ界でも前例がない。告発内容の重大さも前例がない。おそらく、処分も前例がないほど重大なものになるだろう。

    忘れてはならないのは、エヴァートン(勝ち点6剥奪)とノッティンガム・フォレスト(同4)が犯したのは、プレミアリーグの財務規則(PSR)に対する違反にすぎなかったということだ。一方のチェルシーは、代理人や第三者への違法な支払いに関する告発で罰金処分を受けている。この処分は疑問の声も上がっているが、重要なのはチェルシー側が実質的に自らプレミアリーグへ申告した点である。問題となった違反は現オーナーではなく、ロマン・アブラモヴィッチ体制に関するものだったからだ。したがって、クリアレイク・コンソーシアムは調査に終始全面協力していた。

    しかし、シティはそうではない。プレミアリーグにまったく協力する姿勢は見せず、しかも全過程を通じて完全な潔白を主張し続けており、情状酌量が認められる可能性は低い。その結果、シティが極めて重い勝ち点剥奪処分を科され、降格が「あり得る」ではなく「濃厚」となる可能性が、今やはっきりと存在している。

  • タイトル剥奪の可能性

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    Action Plus

    タイトルが剥奪されるかどうかは、現時点では依然として不透明である。だが、2009年から2018年までのシティの全結果、つまり今回の調査対象となっている期間の成績を無効とすべきだという強い主張が成り立つのは確かだ。あの期間は、シティがイングランド・フットボール界の支配的な勢力へと台頭し、最終的に2023年の3冠を成し遂げる土台となったと言える。つまり財務規則違反がなければ、この8年間に起きたことは何一つ実現しなかったとも論じられるのだ。

    前指揮官ジョゼップ・グアルディオラは2023年、有罪判決が下された場合に「タイトルを剥奪されるべき」という考えに強く反発していた。

    「ああした瞬間は、判決がどうであれシティのものだ。自分たちが成し遂げたことを考えてほしい……セルヒオ・アグエロが決めたあのゴール(2012年のQPR戦)は、誰にも消せない。分からないが、アンフィールドでスティーブン・ジェラードが滑ったことも我々に責任があるというのか?」

    もちろん、彼らにその責任はない。だが、当時マヌエル・ペジェグリーニが率いていたシティがあの“スリップ”の恩恵を最大限得ることができる立場に立てたのは、財務不正のおかげとも言えるし、その責任は逃れられない。さらに言えば、グアルディオラが言及した魔法のような瞬間は、別の誰かから奪ったものだと主張することもできるかもしれない……そう、問題が大きすぎて、あらゆる可能性や主張が考えられてしまう状況なのだ。

    リヴァプールOBダニー・マーフィーは、「記憶そのものは奪えない」と指摘する。その一方で、メダルやトロフィーは剥奪できるのだ。2018-19シーズンと2021-22シーズンにあと一歩でタイトルを逃したリヴァプールの元指揮官ユルゲン・クロップは、2025年1月に「もしそうなるならば、行きたい人全員にマジョルカ島への飛行機を予約するよ! ビールは私のおごりだ」と冗談めかして語っていたが、なんとも示唆的な話である。

  • プレミアリーグの根幹を揺るがす問題

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    AFP

    そしてシティにとってさらなる問題は、他クラブへの影響である。

    過去18年間で3度にわたりシティに次ぐ2位に終わったマンチェスター・ユナイテッドは、シティの違反が自クラブの収益に与えた経済的影響をすでに精査していると報じられている。そしてリヴァプール(こちらも3度の準優勝)やアーセナル(2回)も同様の対応を取っていることが伝えられている。

    だが、話はそれで終わらない。シティは繰り返し他クラブからトップ4フィニッシュの機会も奪ってきたのであり、それはチャンピオンズリーグ出場権、そしてそれに伴う高額な賞金獲得を意味していた。また自クラブのエースを“不正に”引き抜かれ、その結果として降格や経済的損失を被ったクラブもあるかもしれない。おわかりの通り、財務規則違反の件数と年数が大きすぎるのだ。どんな被害や損失があったか、そして補償額がいくらなのか、この段階で補償額の可能性を算出するのは不可能だ。

    そしてプレミアリーグの公平性に与えられた、おそらく修復不能な損害も同様である。仮に有罪判決が維持されるならば、フットボール史上最大の不正事件により、過去18年間のプレミアリーグがまったく虚構だったと暴かれることになるからだ。

    ただ、現時点で確実に言えることもある。シティの評判は地に落ちるということだ。彼らの記憶やタイトルはまだ消し去られておらず、今後もそうならないかもしれない。だが少なくとも、長期化が見込まれる控訴手続きの行方次第ではあるものの、すべての栄誉には今や“注釈”が付き、そして大半の中立的な観察者の目には「あらゆる勝利が完全に無意味なもの」となるだろう。そう、ランス・アームストロングのツール・ド・フランス7連覇のように。

    シティの次戦は10月11日、インターナショナルウィーク明けのプレミアリーグ第6節でリヴァプールと対戦する。そう、この財務規則違反により最も被害を受けたクラブの1つであろうクラブの本拠地に赴くのだ。アンフィールドがどう反応するのか、もはや想像すらできない。そしてシティが控訴して最終的な判決が下るまでの間、彼らはプレミアリーグを戦い続けることになるが、それ自体に疑問を投げかける声は後を絶たないだろう。選手も、スタッフも、そしてサポーターも、針のむしろのような状態にさらされるのだ。今回の問題は、有罪認定が発覚したことで終わりではない。最終的な結論が出た時、イングランド・フットボールはすべてが変わってしまうかもしれない。それほど巨大な問題なのだ。

    今回の問題は、『The Damned United』とは違う。今なおシティは否定し続けているが、本当の意味で「どれ1つとしてフェアに勝ち取ったものではない」のかもしれない。少なくとも、そう考える人がいても不思議ではない。