『The Damned United(※邦題:くたばれ!ユナイテッド -サッカー万歳!-)』は、ただのドキュメンタリーではない。デイヴィッド・ピースがベストセラー小説で描いた物語の正確性については、実在の当事者の何人かが異議を唱えている。だが、ほぼ誰もが一致していることが1つある。1974年7月にリーズ・ユナイテッドの新監督に就任したブライアン・クラフは、初期のトレーニングにて、疑いようのない才能を持ちながらも悪名高いほど荒れた選手たちの前に立ち、「お前たちのメダルは全部ゴミ箱に捨てていい。どれ1つとしてフェアに勝ち取ったものではない」と言い放ったことだけは、実際に起きたことである。マイケル・シーン演じるクラフは、「お前たちは、まったくもってイカサマで全部を手にしたんだ」と言い放っているが、これはリーズのいわゆる“ラフプレー”を指したものであり、もちろん何らかの不正行為があったという意味ではない。
では、話を現代に戻そう。おそらくあなたも、すでにSNSでこの映画の名シーンがSNSで拡散しているのを目にしているだろう。ただ今回は、告発されたプレミアリーグの財務規則違反のほとんどが有罪認定されたマンチェスター・シティに関するものだ。もう「お楽しみ」は始まっている。「バンター」行きのバスはすでに満員で、「ミーム製造機」はフル回転。ライバルクラブのファンは、シティを容赦なく嘲笑している。
だが、これは笑いごとではないのだ。プレミアリーグの根幹を揺るがす大問題であり、イングランド・フットボールの未来を完全に変えてしまう可能性すら秘めている。プレミアリーグは自ら運営するその大会自体があらゆる信頼を失いかねない以上、この実質的な「勝訴」を素直に祝うことは許されない。




